泌尿器科

特長・得意分野

尿路性器癌

前立腺癌

腫瘍マーカーであるPSAが高値で癌を疑う場合には1泊2日入院の針生検により確定診断に進みます。
手術適応の場合には小切開前立腺全摘除術を積極的に行ってます。
入院は10~14日間程度が目安です。

膀胱癌

早期の表在性癌に対しては4~5日間の入院による内視鏡的切除術で対応可能であります。
再発しやすい症例には抗癌剤やBCGの膀胱内注入治療を行います。
浸潤癌に対しては膀胱全摘除、尿路変向術を行います。

腎細胞癌

小さな腫瘍では腎機能を温存するため、腎部分切除術を行います。
大きな腫瘍では腎摘除を行います。また転移がある場合には、分子標的薬治療や免疫療法も行います。

前立腺肥大症

薬物治療で改善が不十分な症例に対しては内視鏡手術で対応します。

「男性の悩み」的泌尿器科疾患

  • 包茎:局所麻酔での日帰り手術を行っています。
  • 勃起不全:バイアグラなどの薬物治療を試みます。
  • 男性更年期:適応を見極めたのちホルモン補充療法を考慮します。

主な医療機器・設備

軟性尿道膀胱ファイバースコープ、経直腸的前立腺超音波、尿流量率測定器、残尿測定器

診療実績・施行実績

疾患名 術式 2018年 2019年 2020年
前立腺癌 前立腺全摘除術 7 19 27
腎癌 根治的腎摘除術 4 3
腎部分切除術 5 5 6
尿管癌 腎尿管全摘除術 1 4 5
膀胱癌 経尿道的腫瘍切除術 22 27 27
膀胱全摘、回腸導管 2 2 1
副腎骨髄脂肪腫 副腎摘除術 1
精巣腫瘍 高位精巣摘除術 3 1 3
  小計 45 58 72
前立腺肥大症 経尿道的前立腺切除術 2 8 4
尿道ステント留置 14 11 10
陰嚢水腫 水腫切除術 3 4 3
精索腫瘤 腫瘤切除
前立腺癌 除睾術 1
包茎 環状切除 9 14 8
精巣捻転、遊走精巣 精巣固定術
尖圭コンジローマ 切除 4 8 5
単純性腎嚢胞 穿刺固定術 1 1
膀胱癌(疑い) 膀胱生検・電気凝固 6 7
水腎症 腎瘻 4 3 9
腎瘻拡張カテ交換 3
尿管ステント留置・交換 40 39 33
RP 3 4 7
腎腫瘤 腎生検 1
膀胱結石 膀胱高位切開 1
精巣上体腫瘍 精巣摘除 1
尿道狭窄 内尿道切開 1
その他 7 6 3
小計 94 98 96
PSA高値 前立腺針生検 65 115 94
204 271 262

*2014年から常勤医体制になり手術開始

主な疾患について

前立腺癌

高齢化とともに罹患者は近年急激に増加しています。
しかし採血でPSA値を測定することで、触診でもわからない早期の癌を診断できるようになりました。
50歳を過ぎた男性の方は、是非一度PSAを測定することをお勧めします。
早期癌で、70歳代前半まででお元気な方に対しては前立腺全摘術が対象になります。
進行癌あるいは、高齢の方や合併症が多い方などに対しては通院による内分泌治療や放射線治療をお勧めします。

膀胱癌

膀胱癌の症状の特徴は、痛みや残尿感のない血尿です。
肉眼的な血尿や尿潜血陽性を指摘された方は、是非精密検査をお勧めします。
早期の表在性癌に対しては4~5日間の入院による内視鏡治療で対応可能でありますが、浸潤癌では開腹手術が必要になることもあります。
また癌の状態によっては抗癌剤やBCGの膀胱内注入治療、全身抗癌剤治療を行います。

腎細胞癌

腎癌に対しては、原則手術を行います。
ドックなどで偶発的に見つかった小さな腫瘍では腎機能を温存するため、腎臓を全部取るのではなく腫瘍部位のみを切除する腎部分切除術を行います。
また転移がある場合には、分子標的薬治療やインターフェロン治療も行います。

排尿症状

尿が出にくい、尿が近い、もれる、尿意の我慢が難しいなどの症状に対して専門的な診療を行っております。
ご高齢の方の場合、「歳のせい」とあきらめてしまう方も多いですが、内服薬などにより症状が良くなる方も多くいらっしゃいますので泌尿器科への受診をお勧めします。
薬物治療で改善が不十分な前立腺肥大症に対しては内視鏡手術で対応します。

尿路感染症

腎盂腎炎、前立腺炎、精巣上体炎(副睾丸炎)、尿道炎などがありますが、こじらせなければ抗菌薬投与で速やかに改善することが多いので早めに受診してください。

ED(勃起不全)

「他人に相談するのは恥ずかしい」とか「歳のせいだから」と諦めてしまいがちですが薬物に反応することも少なくないため、気軽に一度は御相談ください。ただしこの場合には自費診療となります。

尿路ステント、腎瘻留置

尿路結石や癌などにより、尿管の閉塞をきたした方に対して、体内にステントという細い管を留置する方法です。ステント留置が困難な場合には背部から直接経皮的に腎臓内へカテーテルを挿入します。