血液検査・
尿検査により、
腎臓病や泌尿器疾患を
発見・予防します
腎臓病患者のうち、70%以上の方は健康診断がきっかけとなり病気がわかったというデータがあります。
慢性腎臓病は、透析治療が必要となる直前まで自覚症状がないことも多く、
早期発見のためには定期的に検査をすることが大切です。
また、尿検査により、膀胱がんや前立腺がんの発見につながることもあります。
腎機能検査
尿素窒素
尿素窒素は、たんぱく質が身体の中でエネルギーとして使われたあとにできる老廃物です。
本来は腎臓の糸球体でろ過されて尿として排泄されますが、腎機能が低下するとろ過しきれずに血液中に溜まるため、尿素窒素の値が高くなります。
基準値
8.0 ~ 23 mg/dl
クレアチニン
クレアチニンは筋肉に含まれているタンパク質の老廃物で、尿素窒素と同様に腎臓の糸球体でろ過されて排泄されます。
検査で測定された血液中のクレアチニン濃度の値は、腎臓のろ過能力を測る指標となります。
基準値
[男性] ~ 1.00 mg/dl
[女性] ~ 0.70 mg/dl
(人間ドック学会基準値に準拠)
eGFR(推算糸球体ろ過量)
糸球体は腎臓にある房状の毛細血管網で、ろ過量を調べることにより腎臓の状態を知ることができます。
ただし、正確な糸球体ろ過量を調べるためには複雑な検査が必要となるため、通常の健康診断ではクレアチニンの値から求めた計算値が用いられます。
基準値
60.00mL/分/1.73m2以上
(人間ドック学会基準値に準拠)
電解質
Na [ナトリウム] Cl [クロール] |
脱水状態の程度を知ることができます。腎疾患、脳下垂体ホルモン、副腎皮質ホルモンの異常、 服薬によっても変化します。 |
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K [カリウム] | 腎、心、下垂体と副腎皮質機能に関係します。服薬によって変化することがあります。 |
Ca [カルシウム] | 副甲状腺機能亢進症、多発性骨髄腫、骨結核などで上昇し、副甲状腺機能低下症やビタミンD作用不全、骨疾患などで低下します。 |
基準値
- Na134 ~ 147 mEq/l
- Cl98 ~ 108 mEq/l
- K3.4 ~ 5.0 mEq/l
- Ca8.4 ~ 10.4 mg/dl
尿検査
タンパク | 腎炎・ネフローゼ・腎硬化症などで陽性となります |
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潜血 | 尿路の出血を意味します |
ウロビリノーゲン | 肝臓・胆道・溶血性疾患などで高値となります |
ケトン体 | 糖尿病(重症)・下痢・嘔吐・飢餓などで陽性となります |
比重 | 尿中に溶けている全溶質(尿素・塩化ナトリウムなど)の濃度を示す指標となります |
pH(水素イオン濃度) | 腎機能が正常な場合、弱アルカリ性を示します |
基準値
- タンパク陰性(-)
- 潜血陰性(-)
- ウロビリノーゲン陰性(-)、疑陽性(±)
- ケトン体陰性(-)
- 比重1.002 ~ 1.03
- pH5~8
尿沈渣
尿を遠心分離器にかけたときに沈殿してくる固形成分を顕微鏡で観察し、種類ごとに視野に入る数を調べます。この検査により、腎臓や尿路系の病気の種類や部位を推測することができます。
基準値
- 赤血球0 ~ 5 /視野
- 白血球0 ~ 5 /視野