診断未確定肺病変の肺生検
通常、胸腔鏡下手術で自動縫合器を用い肺を切除できるのは、肺野末梢性病変に限られます。つまり肺胸膜(肺を包んでいる膜)から少なくとも深さ2〜3cmまでで、それ以上肺の内部に存在するものに対しては、自動縫合器を用いた肺部分切除術は不可能と思われます。一般に胸腔鏡下肺生検の適応になるのは、気管支鏡検査や肺針生検でも診断がつかないような、1cm前後の小陰影や結節、あるいはmm単位の微小陰影が主体となります。 これらの肺の内部に隠れた病変は、胸腔鏡で胸腔内を観察しても肉眼的にどこが病変部か、判別することは不可能です。従って、このような場合は手術前に病変部に印を付ける必要があります。そのために術前CTガイド下マーキングを行います。いろいろな方法もありますが、私はガイディングマーカーシステム(八光商事)を用いています。これは先端の針がちょうど銛のように“かえし”がついており、肺内に埋め込むと抜けにくくなっています。また、針の尾部からナイロン糸がついており体外から穿刺挿入した際、胸腔鏡下に肺内への侵入位置を確認できます。 手術時には、この糸の下に目的の病変があるわけですから、あとは深さと切除する大きさを決め、MLRで把持したら自動縫合器で切除します。なお、CTガイド下マーキングの手技はCTガイド下肺針生検と同じで、CTで正確に位置決めをおこない、ターゲットの近傍に埋め込みます。当院では手術の直前におこなっています。